ティーバッグであの頃のお茶を

実家では、急須で淹れたお茶を飲むことは当たり前の風景だった。

一人暮らしを始めてから、急須で淹れたお茶を飲むより

珈琲豆や焙煎、淹れ方にこだわり、体調を考えハーブティを飲む。

やがて家族ができ、自分なりの家族の風景ができつつあるが

あの頃の日常からは少し遠のいている。

 

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時代と共に個人主義が進み、生活様式や家族のあり方も大きく変化しました。

急須を持たなかった頃、私はその時の体調や気分でハーブティや健康茶を飲むことが多かったです。

また、私の周りにも「急須でお茶を飲む」習慣がほとんどありませんでした。

古来よりお茶は、優れた薬効を持ち無病息災を祈るお守りのような役割もあります。

そんなお茶を、両親や祖父母が真心込めて淹れてくれていたのであれば

次は自分の番であり、子や孫に淹れ続ける人でありたい。

そして、佳き文化は継いで行きたい。

そう思わずにはいられなくなりました。

 

あの頃飲んでいたお茶を「手軽に」飲めるようにできないかと

試行錯誤してつくったのが「菊長治 煎茶ティーバッグ」です。

世の中のあらゆるティーバッグを経験し

まずは自分自身が飲んで美味しいと思えるティーバッグ作りのため

「粉茶」だけではなく「本茶葉入り」にいたしました。

ティーバッグの主流は「粉茶」です。

抽出時間が短く水色も鮮やかなグリーンで口当たりまろやか。

苦渋みもほとんどないので、量をたくさんいただきたい方にはおすすめです。

しかし、当工場のティーバッグは「急須で淹れたお茶」を目指しましたので

「苦渋み」や「旨み」「香り」「口に残る余韻」に

こだわりを持って仕上げております。

 

お茶は嗜好品でもありますので、味わいも好き好きかと思います。

まずは、あの頃のお茶の日常を…

大切なご家族やご自身のために淹れるきっかけとなれば幸いです。